古くより超常現象が数多く起こるとされる山間の街、七姉妹市。 都会から転校してきた少年、稲上統(いながみはじめ)は、この地で超常現象を祓い鎮めるとされる「御子様」として有名な少女、七沢昴(ななさわすばる)と出会う。赤く深く鮮やかに輝く長髪をもつ彼女はひょんなことから彼を自らの使命、超常現象の「調伏」と呼ばれる解決に連れ出す。 超常現象は太古に七姉妹市の都市に降り落ちた「プレアデスの鎖」と呼称される超次元構造体の欠片が引き起こしており、「御子」とは鎖を制御する権限をその血に宿す存在だった。人の願いを叶える超常を身に宿し制御するが故に「なんでもどうにでもできてしまう」御子と、「なにもどうにもできない」無力を密かに抱える統は、七姉妹市に起こる様々な超常現象とそれを引き起こす「人間の願い」を巡る謎と切実さに挑むことになる。
更新:2023/4/10
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高校二年の梅雨時期、少年・瑞穂有理は友人・藤沢恵理紗に如何にして今以上に接近するかを至上命題としていた。そんな折、季節はずれの転校生、ソフィアは、彼に不思議な言葉を呟く。 「君が彼女と結ばれる宇宙はどこにも存在しない」 絶え間なく無数に分岐し続ける宇宙において、彼は自己情報同期型電子ノベルの調査官として生き、十八世紀の町で麗しい「その人」について手紙をしたため、背教騎士ドラグーンとして戦い、朝のニューアーク空港で搭乗準備を終える。 無数の宇宙。無数の可能性。全方向に広がる分岐世界。何もかもがいずれかの宇宙で起こりえる。 無数の宇宙において、無数の彼は無数の彼女へと腕を伸ばし、切実な価値を求め続けていく。 やがて彼らは、気づく。どうなっているのか。どうすべきか。どうなるのかを。
更新:2014/8/29
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